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1月20日のまにら新聞から

武装脱獄囚2人が逃亡中 当局が注意呼びかけ

[ 769字|2022.1.20|社会 (society) ]

モンテンルパ市ニュービリビッド刑務所脱走事件の脱獄囚は4人。追跡捜査で2人死亡、2人が逃亡中

ニュービリビッド刑務所内で相次ぐ受刑者らのギャング団(派閥グループ)による抗争をくい止めるため、主要なグループのリーダーたちが中心となって刑務所内で「和平合意」集会を2018年に開いた。しかし、その後もギャング団による抗争は続いている(EPA=時事)

 17日未明に起きた首都圏モンテンルパ市にあるニュービリビッド刑務所からの受刑者脱獄事件について、司法省矯正局は18日、当初3人と発表されていた脱獄囚について、行方が分からなくなっていたカンダス・アブラス受刑者を含め合計4人だったと発表した。また、先に特定されていた3人の脱獄囚のうちパシフィコ・ビラルズ・アドラワン(49)とアーウィン・ビレザ・ビオ(35)の両受刑者は17日の警察などによる追跡捜査で殺害されたものの、残るドラキルー・ユソレス・ファルコン(34)受刑者と4人目の脱獄囚アブラス受刑者がいまだ逃亡中だとし、市民に注意を促すとともに情報提供を呼びかけた。同局は有力情報に10万ペソの報奨金の提供もあるとしている。

 一方、司法省矯正局のチャクラグ報道官は19日のCNNフィリピンのインタビューで「3人が脱獄する際に巻き込まれて銃撃された受刑者1人も死亡したと」語った。「この受刑者は刑期満了で今月釈放されるはずだった」と付け加えた同報道官は、逃亡中の2人が銃器を所持し、いかに危険な人物であるかを強調した。

 現在逃亡中のファルコン受刑者は強盗殺人、アブラス受刑者は強盗殺人と銃の不法所持で服役中だったという。

 ゲバラ司法相は、今回の脱獄事件と、同刑務所で2日に起きていた受刑者3人が死亡した銃器を用いた暴動事件との関連について調査を実施するよう国家捜査局に命じた。また、司法省矯正局に対しては、重大な職務怠慢があったとして、関係職員を懲戒処分にするよう大統領府に勧告するとした。

▽日本大使館も注意喚起

 ニュービリビッド刑務所からの受刑者脱獄事件について日本大使館も18日、注意喚起のメールを配信した。警察発表の概要を伝えるとともに在留邦人に対し、自宅の戸締りや外出時の注意などを呼びかけた。(渡辺誠)

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