コロナ入院は重症患者だけに 病床利用でマニラ市が発表
マニラ市は同市立病院における病床利用をコロナ感染者は重症患者のみ受け入れに変更し、他の病気の患者の受け入れ態勢を整えることを発表
5月の大統領選候補者であるマニラ市のイスコ・モレノ市長は10日、新型コロナ感染者の急増を受け、同市の医療施設における病床利用について、コロナ感染者のうち6つの市立病院での入院は重症患者のみの受け入れに制限し、他の病気の患者の受け入れ態勢を整えることを発表した。軽症でも基礎疾患があり、適切な治療を必要とする感染者の入院に臨機応変に対応していくとしている。
モレノ市長は比統計庁のデータを引用し、2021年1〜6月の全国の死因は虚血性心疾患が18・7%と最も多く、脳血管疾患10・2%、ガン9・0%、糖尿病6・5%、コロナが5・7%で5番目だったことを指摘。病床利用の政策変更の目的については「さらなる感染者の増加が予想される中、ガンや糖尿病、透析などコロナ以外の病気で入院が必要な患者のための病床を保つため」と説明した。
同市長は、無症状か軽症のコロナ感染者には自宅隔離を推奨しているが、自宅での隔離が難しい場合、同市のアウロラ高校に新設した検疫施設などに入るよう促した。また、医療従事者の感染も多く確認されているため、PCR検査とその結果通知、ワクチン接種のペースが落ちる可能性にも言及した。
マニラ市は昨年12月に緊急使用許可が下りたばかりの米メルク製の経口治療薬「モルヌピラビル」3万錠以上を、ルソン島全域の軽症から中等症の感染者に対し、無料配布しており、2万錠を追加で補充している。
さらに同市長は11日、自身のフェイスブックで新たに10階建て、エアコン完備の公立病院「バゴン・オスピタル・ナン・マニラ」が近く完成することを報告した。(深田莉映)