5〜11歳への緊急使用許可 早ければ来月から接種開始へ
FDAが米ファイザー製ワクチンの5〜11歳への接種や経口治療薬緊急使用を認める
フィリピン食品医薬品局(FDA)のドミンゴ局長は23日、米ファイザー製の新型コロナワクチンの5〜11歳への緊急使用許可を出したことを明らかにした。政府は早ければ来年1月から5〜11歳へのワクチン接種を開始する見込み。
同局長はオンライン会見で、許可に至った理由として、ファイザー製ワクチンは5〜11歳の児童への有効性が90・7%と高いことや、治験中にみられた発熱や患部の痛みなどの副反応はいずれも軽度で、安全性を疑う必要はないと判断したことなどを挙げた。
また、5〜11歳に接種するためには、1回あたりの投与量が従来のワクチンより少ないものを別途用意する必要があると説明。ドミンゴ局長は、新型コロナ感染症全国タスクフォース(NTF)責任者のガルベス大統領補佐官とドゥケ保健相にこの件を既に伝達済みだとした。比政府は、1月には5〜11歳への接種を開始できるよう準備を進めるという。
▽飲み薬を初承認
また、23日の英字各紙によると、ドミンゴ局長は国営テレビで23日、これまで限られた医療機関での人道的使用のみ認められていた米メルク製の経口治療薬「モルヌピラビル」に緊急使用許可を出したと発表した。
同局長によると、モルヌピラビルの使用は重症化リスクのある18歳以上が対象。発症から5日以内に服用を開始し、1日2回、5日間服用する必要があるという。また、妊婦や妊娠の可能性がある人、授乳中の服用の安全性はまだ確認されていないため、推奨されていないと説明した。
フィリピンでコロナの飲み薬の緊急使用が承認されるのは初めて。特に今年8〜9月に比国内で猛威を振るったデルタ株に続くオミクロン株の出現に伴い、今回の決定に至ったとみられている。
一方、ガルベス補佐官は2022年の新型コロナワクチン接種事業を、学齢児童への接種と、医療従事者・経済活動の最前線にいる労働者への追加接種を中心に進めるとの方針を示した。
ガルベス氏は22日、ドゥテルテ大統領への報告で、2022年度の接種目標人数は7700万人から、9000万人、そして全国民まで段階的に引き上げるとした。また、今年度末までに目標の5400万人を達成するための十分なワクチン供給量があり、未成年への接種と追加接種を加速させるという。(深田莉映)