首都圏警戒レベル1の可能性 新規感染者500〜1000人水準以下で
新規感染者が1日あたり500〜1000人水準になれば防疫レベルを1にする可能性
ドゥケ保健相は9日、全国の新型コロナ感染者が1日500〜1000人水準以下になれば、首都圏の防疫警戒レベルを1にする可能性もあると発言した。同レベル2に置かれている首都圏では、1日あたりの感染者数は9日時点で307人に減少しており、全国的には11日時点で1974人となっている。
10日付英字紙マラヤなどによると、保健相は「1日500〜1000人水準以下になれば、レベル1に緩和することは可能だ。そうなれば経済の大部分が開かれ、失われた雇用が回復し、経済の活力も戻り、全ての人の生活が正常になる」と述べた。レベル1の下では、公衆衛生上の最低基準を満たすことで、施設や事業活動は定員いっぱいまで許可されることになる。
フィリピン大などの研究グループ、OCTAリサーチは9日、首都圏での1日あたりの感染者数が11月末に200人未満へと減少する可能性を予測した。OCTAのギド・ダビド氏は「過去7日間の1日平均は385人で、今年2月アルファ株やベータ株が急増する直前の低い状態を保っている」と話した。OCTAによると、首都圏の1日平均感染者数は10月5〜11日(1919人)、10月19〜25日(896人)、11月2〜8日(385人)と減少が続いている。
▽フェイスシールドめぐって
ドゥケ保健相はまた、完全撤廃の議論もされているフェイスシールドについて「自主的な使用」を推奨。マニラ市やダバオ市では全国に先駆け病院や医療施設以外において着用義務が見直されている中、最終的な判断は新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)の決定に委ねたいとしている。
一方で、モレノ・マニラ市長の市内でのフェイスシールド撤廃宣言は、他自治体からも支持の声が上がる中、ロケ大統領報道官からは「無効だ」と冷たくあしらわれている。
アニョ内務自治相は9日、「無効ではない」と独自の見解を示し、「地方自治法16条は、首長にサービスや人々を守るための条例制定と執行権を認めている。警戒レベルが2となり、ワクチン接種も87%に及んでいる今、低リスクであることも考慮されて良い」と、同省担当の自治体による独自の動きを擁護した。(岡田薫)