フェイスシールド任意化を採択 IATFに勧告へ
首都圏17市町長がフェイスシールド着用義務を撤廃するよう勧告
首都圏開発庁(MMDA)は8日、首都圏17首長がフェイスシールド着用を任意とする案を採択し、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)に勧告すると発表した。同日、新型コロナ国家タスクフォース(NTF)のガルベス大統領補佐官は「IATFのほとんどのメンバーが賛成だ」と発言。「世界で最も厳しい」とされる比の防疫措置の象徴ともいえる、昨年12月以来続いてきたフェイスシールド着用義務を撤廃する動きが本格化している。
MMDA長官とその政策決定合議体・首都圏評議会(MMC)議長を兼務するアバロス氏は、フェイスシールド着用義務の撤廃勧告を出す理由について「首都圏では接種対象者のほとんどが新型コロナワクチン接種を完了しており、新規感染者数、10万人あたりの1日感染者数も減少し続けている」と指摘。病院、保健所、公共交通機関以外の場所でのフェイスシールド着用義務を無くすよう「決定権を持っているIATFに申し入れる」とした。
一方、マニラ市のモレノ市長は8日、IATFの決定を待たず市長令を発令。同日から病院を除いてフェイスシールド着用義務を撤廃し、任意化すると宣言した。ベルヘイレ保健次官は7日の会見で各自治体に対し、混乱を避けるためフェイスシールド着用義務規則の変更をIATFが決定し、新方針を発表するまで待つよう呼び掛けていた。8日にもロケ大統領報道官が「(着用義務撤廃は)無効だ」としたが、モレノ市長は「着用義務撤廃は実施する。自治体にはその権限がある」と反論し、あくまで押し切る構え。次期大統領選に立候補している同氏の「スタンドプレー」という見方も可能だ。
ドゥテルテ大統領も、9月22日に「3密」となる場所以外でのフェイスシールド着用義務の撤廃を命令、その後も同趣旨の指示を出していた。しかし、実施ガイドラインは公表されず、いつから撤廃されるか未定のまま11月を迎えていた。(竹下友章)