局所封鎖の権限を自治体に 州レベルのECQは廃止の方向
コロナ防疫で、局所的な封鎖を発令する権限を、自治体に付与することで合意
国内で新型コロナのコミュニティー感染が広がっていることを世界保健機関(WHO)が宣言する中、防疫強化地域(ECQ)にもあたる局所的な封鎖を発令する権限を、自治体に付与することで政府機関が合意した。
首都圏とその他15地域で7日まで継続される修正防疫強化地域(MECQ)をはじめ、ECQ以外の防疫区分は今後も新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)が発表するとみられる。加えて、首都圏や州レベルでの「ECQ」はなくなる一方、局所的な封鎖が各地で頻発する可能性がある。
内務自治省のマラヤ次官は「広範囲でのECQに代わるきめ細かな局所封鎖は、各政府機関の合意を得ており、IATFの承認を待つばかりとなっている」と強調した。同次官は例として「2週間の局所封鎖が実施された場合、初めの週は地方自治体、翌週は社会福祉開発省(DSWD)を通じた政府の支援食料が住民に支給される」と説明した。
▽局所封鎖は以前から
2日の英字紙ブレティン電子版によると、首都圏パサイ市のエミ・ルビアノ市長は「バランガイ(最小行政区)など120カ所で局所封鎖を敷いている」と語った。同市長によると、局所封鎖はバランガイ単位に限定されず、集団感染が確認された建物、その周辺や通り単位になっているという。2日午後4時時点で951人の新型コロナ未回復者(アクティブ)がいる同市は、ワクチン接種による集団免疫の獲得の目標人口とする80%のうち、すでに70%ものワクチン接種を終了している。
北イロコス州では9月1〜7日にかけて、州内23ある市町の19カ所に対し、局所封鎖を敷く。マシュー・マノトク知事は2日時点の州内デルタ株新規感染者を32人と発表。「(保健省による)公式発表はまだだが、デルタ株がすでに猛威を振るっていると推測される」と話した。
内務自治省は2020年6月の段階で全国112カ所で局所封鎖を敷いていた。アニョ内務自治相は局所封鎖について、「新型コロナ感染を押さえ込む最良のアプローチで、患者が集中する地区を直接対象とするもの」との認識を示していた。(岡田薫)