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5月30日のまにら新聞から

パレスチナ人の人権擁護を ガザ停戦

[ 650字|2021.5.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 1955年、国家を構えたばかりのイスラエルを初めて訪れた。1948年の建国当時、英国の統治下だった領土の半分はパレスチナ人に渡ったが、イスラエルはその後、占領地を拡大し続けている。入植者は農民ではなく、多くは専門家やビジネスマンであり、祖国の建国を切望する若者も多かった。

 ユダヤ人は中世以来、世界中で迫害されてきた。米国と世界の同胞の支援がなければ生き延びることも繁栄することもできなかっただろう。フィリピンではケソン元大統領がナチスの迫害を逃れてきたユダヤ人を受け入れた。

 だが、イスラエルによるパレスチナ人の抑圧と占領を非難することは反ユダヤ主義ではなく、人権擁護である。

 今回の紛争でイスラエル側は、パレスチナ自治区ガザからの爆撃の報復だと主張しているが、米ユダヤ人学者のノーム・チョムスキーは「イスラエルには、パレスチナにはない軍と武器がある。起こっているのは殺人だ」と述べた。

 5月21日現在、停戦となった。イスラエルはガザを実効支配するイスラム組織ハマスの降伏を望んでいるが、それではパレスチナ国家は終わりを迎える。

 何世紀にもわたり反ユダヤ主義の元になっている神話の1つが「ユダヤ人がついに祖国を手に入れたとき、ハルマゲドンがやってくる」というものだ。反ユダヤ主義を信じる人々は、今回のパンデミックがその予言の最初の前兆であり、次は核戦争だと指摘するだろう。注目すべきは、イスラエルが現在、核兵器を保有していることである。(24日・スター、作家 シオニル・ホセ)

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