言い訳不要 政府は行動を 新型コロナ対策
Memaと書いて「メマ」。「マイ・マサビ・ラン(言いたいことがあるだけ)」という言葉を縮めた形で、一般に普及している。
かわいく聞こえるこの言葉は10年間使われて、悲しい文化を表す言葉の1つになってしまった。コメディーであればウィットとして通用するが、日々の生活では退屈に響く。公務員が問題解決を長年先送りし、同じせりふをうんざりするほど繰り返してきたからだ。今は言葉だけでなく、どう行動につなげるかが問われている。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染の流行を宣言して1年。フィリピン政府は「封鎖」という言葉を嫌い、「防疫強化」と言い換えてきた。一方で、隣国の多くの政府は、コロナ感染のまん延を抑制することに貢献してきた。
米国デューク大のデェングラン・タン氏は昨年8月、「アジアの国々が新型コロナをどう撃退したか」という研究論文で韓国や香港、台湾、ベトナム、シンガポールなどの例を発表。過去に似た病気に向き合った「経験」が働いていると指摘している。
これを知るのは比人の我々にはつらいことだが、これらの国・地域が享受したもう1つの利点は、包括的な国家規模の対応を可能にする法的・組織的構造が確立されており、感染者が確認される前に医療システムを強化できる土壌が整っていたことだ。
タン氏は「政府や自治体の関係者が高度に連携し、公衆衛生担当者や政治指導者からの情報が明確で一貫性があり、混乱を減らし、信頼を高めていた」と分析している。もうメマは聞き飽きた。(17日・トリビューン、ディナー・ベントゥラ)