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3月21日のまにら新聞から

サーキットブレーカー型? 感染者急増で対応に混乱

[ 1258字|2021.3.21|社会 (society) ]

苦悩の1年(3)感染者数が連日過去最多を更新。政府の対応に混乱も生じる

隔離された住民に聞き取り調査を行うため、ロックダウンされた通りを通過するコンタクトトレーサー(濃厚接触者の追跡者)=3月15日、首都圏ケソン市(EPA=時事)

 新規の新型コロナウイルス感染者数が連日、過去最多を更新。政府や首都圏などの自治体の対応もあわただしくなってきた。

 コロナ対策の省庁間タスクフォース(IATF)は、首都圏など一般防疫地域(GCQ)を対象に4月4日までの半月間、防疫措置を強化することを決めた。PCR検査で陽性になり、隔離されているロケ大統領報道官が19日、国営のPTVテレビを通じて発表し、首都圏の住民や業者らの協力を求めた。

 ▽再開またず営業停止

 まず一時的に営業を停止されるのが、自動車教習所をはじめ、映画館、ゲームセンター、闘鶏などの娯楽産業、図書館、博物館、文化センターなどの文化施設、遊泳場などの観光施設。

 飲食店の店内飲食や、エステやマッサージなどのパーソナルケア・サービスは定員の50%までに限定される。

 集会は定員の30%に制限。ビジネスの会議や展示会などの商業イベントは必要不可欠なものに限られ、開催できる場合も定員の30%以下になる。

 中には2月に営業再開が認められたばかりの業種もある。首都圏の映画館にいたっては、2月15日からの再開をIATFが決定。映画館を持つモール運営会社が新聞広告などで3月からの再開をPRしながら、自治体の同意が得られず、結局再開できないままの状況に陥っていた。

 ▽連携の悪さ露呈

 外国人入国禁止の措置でも、日々のコロナ対策を担う国家タスクフォース(NTF)が20日からの実施を決めながら、直前になって、参謀本部に当たるIATFの決定を出入国管理庁が承認するという形で22日からの実施に変更されるなど、政府機関の連携の悪さも露呈している。

 ▽朝令暮改型?

 今回の突然の防疫強化措置について、短期間の厳格な「サーキットブレーカー」(取引停止措置)的アプローチの一環とロケ報道官は説明した。

 感染者数の動向など一定の状況になれば、自動的に規制が強化されるという意味かもしれないが、朝令暮改型になってしまう可能性はないのだろうか。

 20日付英字紙ブレティンによると、ビリャヌエバ上院議員は、昨年の失業率が10・3%を記録したことを指摘し、「サーキットブレーカーが経済に破滅的な影響を与える」と警告している。

 また、20日付インクワイアラーによると、独立した研究者からなるOCTAリサーチのランジット・リェ氏は、レストランでの店内飲食を禁じ、民間と公的機関の全てに自宅からの仕事を課すといった「ハードGCQ」を提唱している。

 「首都圏はGCQにある中で、防疫措置への感覚が緩み、規則をねじ曲げようとする傾向が見られている」

 首都圏などの住民を厳しく批判した上で「防疫規則をハードGCQによって徹底させる必要がある」と述べている。

 OCTAリサーチの判断は、このところ政府の決定に影響力を増しているように見える。

 混乱が続く中、規制だけが厳しくなり、ドゥテルテ大統領が約束する「経済の再開」の時期は遠のきそうな状況だ。(谷啓之、岡田薫)

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