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1月31日のまにら新聞から

VFA破棄を見直せ 議員のビザ問題と軍事協定

[ 781字|2020.1.31|社会 (society)|新聞論調 ]

 いったい、なぜデラロサ上院議員の米国への入国ビザの問題が、フィリピンの国益に関わる大問題になってしまったのか? 政府が破棄を求めている、比米訪問軍地位協定(VFA)のことだ。一部の比議員の米国入国許可の問題と、重要な比米の二国間協定の破棄が同等に議論されることに国中がいら立っている。

 この騒ぎは、国家警察長官を務めていたデラロサ上院議員のビザが一方的に米国により取り消されたことが発端だった。その後、ドゥテルテ政権がこれに反応した。大統領がレイテ島で演説した際に、デラロサ議員のビザを改めて発行しなければ、VFAを破棄するという脅迫的な発言をしたのだ。大統領は、米国で開催される米・アセアンサミットへのトランプ大統領からの招請も断っている。

 1999年に発効した同協定は、米軍が比を訪れ、比軍と合同演習を行うことを定めたものだ。比米の軍事協力については、他にも2014年に米軍の駐留延長を認めた防衛協力強化協定(EDCA)が署名されている。覚えている向きも多いだろうが、大統領は16年にも同じようにVFAの破棄をちらつかせた。この時は、貧困削減への米国の支援が延期されたことを受けてだった。しかし、実際には比米の協力関係は強固で、昨年などは合同演習の回数が増えたくらいだ。

 多くの国民は、デラロサ議員の米国ビザ取り消しは、デリマ上院議員の拘束への米国の抗議だと考えている。ドゥテルテ大統領は、これを米国による比の主権侵害だと捉えている。われわれは、このビザ問題がいきなり比米の重大な外交問題にすり替わったことに困惑している。

 一番妥当な対処方法は、この問題を残念な誤解として取り扱うことだろう。まず米国は比に説明もなく、ビザ停止の判断を下し、比政府はVFAを見直すことなく、いきなり破棄を言い出してしまったのだから。(28日・マニラタイムズ)

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