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10月27日のまにら新聞から

理解と思いやりを 麻薬戦争と薬物使用者

[ 623字|2019.10.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 古代のフィリピン人は歯を削って抜いていた。耐え難い痛みを引き起こしたが、医師と歴史家によると大麻で痛みに耐えたという。1950年代、タイ・バンコクにはまだアヘンの巣窟があった。労働者などの貧しい階級のためで、腐臭がした。中流階級以上のタイ人は、自宅でアヘンを吸っていた。

 広く入手可能で安く、麻薬中毒者に人気の覚せい剤「シャブ」。今日この国では、最貧のスラムから高級住宅街の「ビレッジ」に至るまで、個人と家族を破壊する様を目撃しない場所はない。

 ドゥテルテ大統領が麻薬戦争を宣言することは必要で避けられなかった。しかし、私たちの多くが無視しているのは、非常に貧しい層における薬物中毒の社会的な原因だ。彼らの薬物使用は飢えを食い止めるためで、最も貧しいスラムでもシャブがすぐに手に入るからだ。

 同じ現象は南米でも顕著で、長時間の覚醒状態を維持する必要がある労働者(ジプニー、タクシー、トラックの運転手)はシャブで目を覚まし続ける。ごみを収集するスカベンジャーは、悪臭に耐えるため使用する。

 多くの人が気付かず、距離を置く悲惨な事実を考えると、麻薬戦争は理解と思いやりで和らげられるべきだろう。

 司法が機能するシンガポールでは麻薬中毒を克服している。そこでは捕らえられた麻薬王自身に死刑が宣告されている。麻薬戦争の裁かれない多くの死を考えると、司法が腐敗を続ける間は死刑復活は必要ないだろうが。(21日・スター、シオニル・ホセ)

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