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8月10日のまにら新聞から

政府は真剣な取り組みを 農業従事者を支援する関連3法

[ 813字|2019.8.10|社会 (society)|新聞論調 ]

 農業への関心が高まっている。それは農業関連のフェイスブックページが増えていることや若い農業ブロガーたちが増え、昨年9月に続き今年もダバオで関連イベントが開かれることからも分かる。経済成長に伴い、食糧への需要も高まっている。また、農民たちのチャンスを増やすような重要な3つの法律が最近、策定された。灌漑(かんがい)用水無料化法と個人資産保護法、そしてコメ輸入自由化法である。

 灌漑用水無料化法により、農民たちの直接経費の2〜4%に当たっていた灌漑用水の利用負担がなくなり、収益がその分増えることになった。また、個人資産保護法により、農民たちは農業機械などの動産を融資の担保として利用できるようになった。これまでは、農地改革の受益農民であっても自分の農地を担保に融資を受けることが認められなかったため、苗や化学肥料などを買う費用を工面するための融資が銀行から受けられなかったのだ。

 また、コメ輸入自由化法を通じて政府はすでに今年70億ペソの関税収入を得ており、政府予算の100億ペソを加えた資金で稲作競争力向上基金(RCFF)を立ち上げ、融資支援を開始している。しかし、この基金は稲作農家に限っているのが問題だ。国内の農業生産の4分の1を占めるココナツ栽培にも支援対象を広げるべきだ。特に国内のココナツ生産量の6割はミンダナオ地方で栽培されており、彼らココナツ農家にも等しい支援が向けられるべきだろう。

 比の農業生産は国内だけでなく、シンガポールや中国など海外からも注目されている。シンガポールから来る買付け業者が増えているほか、中国も最近、ドリアンやヤングココナッツの輸入を始めている。政府系銀行のランドバンクも最近、零細農民や漁民向けの融資を強化する3カ年農業開発計画を提出したばかりだ。しかし政府はこれらの開発計画や政策を本当に成功させることができるのか、山場を迎えている。(6日・ブレティン、ジョン・トリア)

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