有権者は関与疑惑首長を落選させよ 麻薬取引関与の政治家リスト
ドゥテルテ大統領はこのほど麻薬取引に関与しているとされる政治家46人のリストを発表した。そこには現役市長や町長33人と副町長ら8人、そして下院議員3人が含まれている。発表から11日経過したが、これら政治家の中で5月の統一選に立候補している者たちに対するリスト公表の影響はいかなるものだろう。
リスト入りした政治家らは大半が関与を否定し、リスト記載は政治的な動機からだと反論している者もいる。しかし、大統領府麻薬取締局(PDEA)はリスト作成に際し身辺調査やその審査、46人の告発を実証するために14カ月を費やしたと説明、リストの正確さを強調した。また、同局はリスト入りした政治家らが起訴を免れるために海外逃亡することも可能だとした。ゲバラ司法長官もまだ刑事裁判として訴追されていないため海外出国を防ぐ手立てはないと述べている。
入管によると、実際にリスト入りしている首長の1人が家族を伴いシンガポールに向け出国したという。また、副首長の1人は自分の氏名がリストから削除されたとも主張。一方、内務自治省はすでに行政監察院に対しこれら首長や議員に対する職務の一時停職処分や罷免を求めて告発状を提出している。法務省によると、今後、国家捜査局が告発状に基づいて捜査を実施し、起訴につながる可能性があるという。しかし、5月13日の統一選挙に向けた選挙運動は3月29日から始まり、リスト入りした政治家らの選挙運動や立候補自体を取り消すことはできない。
世論調査機関ソーシャル・ウエザー・ステーションの有権者への最新調査では投票したい候補者の資質として「汚職をしていない」ことが全体の25%で最も高かった。大統領がわざわざリストの公表に踏み切ったのも、これら麻薬取引に関与している候補者を落選させるよう期待しての行動だったことを踏まえ、有権者は投票先を決めるべきだ。(25日・ブレティン)