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1月18日のまにら新聞から

早口話術に注意を オレオレ詐欺や政治家の常とう手段

[ 770字|2019.1.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 最近、魔術師のドキュメンタリー映画を見た。魔術師が観客の注意を引くために手の動きとともに話術を使うことが描かれていた。この早口の話術は魔術師だけでなく、販売員やはては詐欺師や恐喝などの犯罪者の常とう手段でもある。

 先日、同僚の大学教員から携帯文字メールのメッセージが送られてきた。電話に出るとある男から「私は、あなたの暗殺を請け負った。ただ良心が痛むので、あなたが私の暗殺請負料金を払ってくれるのであれば、計画を中止する」と言ったという。実は昨年も私の勤める大学の幹部が同じような恐喝を受けた。彼は恐ろしくなり国家警察に届け出た。この2人の違いは後者が相手の言うことを最後まで聞いてしまったのに対し、前者はすぐさま電話を切ってしまったことだ。幸運にも彼女には二度と同じ人物から電話がかからなかった。

 これは「ブドル・ブドル」や「ドゥゴ・ドゥゴ」と呼ばれる典型的な詐欺・恐喝グループの犯罪と共通する話術が介在している。この話術はいずれも早口で、相手の恐怖という心理感情に働きかけるのだ。しかも標的の家族の運転手やお手伝い、警備員などに事前にアプローチして相手の家族情報などを得ておき、これら膨大な情報を一気に相手に伝え、相手の脳みそが容量オーバーとなり働かなくする。詐欺団は特に高齢者をターゲットにする。

 私も実はブドル・ブドル詐欺の被害に遭いかけた。相手の話に引き込まれ、銀行口座からお金を出そうとしたが話題に出た運転手が当時不在だったため、私にゆっくり考える時間が生まれ、被害を免れた。宗教グループの説教者たちもこの早口話術の持ち主で派手な音楽やパフォーマンスで信者たちを洗脳する。もちろんこの話術は一部の政治家たちもお手のものだ。有権者たちは十分注意して彼らの演説を聞くべきだ。(16日・インクワイアラー、マイケル・タン)

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