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9月14日のまにら新聞から

未来の見えない比農業 政府の無策が招いた農民の高齢化

[ 790字|2018.9.14|社会 (society)|新聞論調 ]

 比国民の平均年齢が約24歳と若い一方で、国内農民の平均年齢は57歳。なぜ若い農民がいないのか? 我が国には若者が農業に就くことを思いとどまらせる阻害要因が多いからだ。

 まず、農業に必要な財政支援を行うべき行政府と立法府がその責を果たしていない。農務省が算定した来年度の概算要求は1200億ペソであった。ところが、国会を通過し大統領が署名する予算額は500億ペソほどに過ぎず、国会は監督機能を果たせない無能ぶりをさらけ出した。

 また、農業信用改革法では、市中銀行の全貸付額の25%を農地改革の受益者農家や零細農漁民向けの農業関連融資とすることを定めている。しかし昨年は1兆340億ペソの農業関連貸付可能額のうち5730億ペソしか貸し付けられなかった。

 政府系銀行ランドバンクなどは農業への貸付といっても、大規模農業ビジネスや穀物貿易業者などに重点的に融資している。零細農家などへは書類の上で貸し付けているように見せかけているだけで、声明も全て詐欺まがいだ。

 国会議員の多くが不動産開発のための大規模な土地囲い込みに関わっている点でも問題だ。彼らは農業の救済者のように振舞いながら、裏で農地取引に関わっている。

 他にも、灌漑(かんがい)無償法は政府の誇大広告だ。各地のかんがい組合が実施主体として水路の保全や、計画に基づいた用水の分配を担っているが、これが苦境に立たされている。

 国会の農業への「貢献」で思い出せるのはナポレス詐欺事件ぐらいだ。ナポレス氏が多数の農業法人・団体を登録し、約100億ペソをポークバレルの資金から受け取った事件だ。資金の40%が彼女の懐に、60%は彼女に加担した議員らの懐に消えた。行政府はそれを援助。比国会史上、もっとも凶悪な詐欺だが、彼女を無罪にしようという動きすらあるありさまだ。(12日・タイムズ、マーレン・ロンキーリョ)

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