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1月7日のまにら新聞から

渋滞解消にモノレールを 新年に願うこと

[ 644字|2018.1.7|社会 (society)|新聞論調 ]

 2018年がやって来た。しかし首都圏の交通状況は悪化の一途、今後の見通しも明るくない。理由は単純で、車の数が多すぎるのに道路が増えないためである。

 ドゥテルテ政権は首都圏の混雑解消に大々的に取り組んでいる。首都圏中心部から北部の新興都市に向かって延びる地下鉄事業は日本の開発援助を受ける。計画は素晴らしく、長期的な構想だ。しかし、大渋滞に手っ取り早い対処法となるものではない。ましてや、現政権の任期中に完成するものでは絶対にないだろう。

 もう一つの計画はルソン地方クラーク市まで軽量鉄道を延長し、政府機関の一部をクラーク経済特区に移設するというものだ。しかしこれも、多くの住民に移住を強いることになり、交通混雑問題に引けを取らない大きな問題となるだろう。

 不思議なのは、なぜ運輸省がモノレールの建設を検討しないのかということだ。モノレール敷設にかかる費用は従来の鉄道建設費用より格段に少なく、建設作業も約半分に抑えられる。

 政府は建設企業や開発業者、地方自治体に合弁を組むよう促し、モノレールの構築に取り組めばよい。また、マカティ市など裕福な自治体は、大通りに沿って自主的にモノレールを建設してもよい。モノレール路線は長短どちらにも対応できる上、連結も可能。なにより、現政権中に完成する可能性も高い。

 フィリピン国民よ、明けましておめでとう。われわれ皆にとって、2018年が希望に満ち、より良い国、良い国民へと発展を遂げることを願っている。(3日・インクワイアラー)

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