学費全額負担の奨学金制度 シンガポール経営大
シンガポール経営大(SMU)は1日、家庭の経済環境が厳しいシンガポール人の学生に対し、4年間の学費を全額負担する奨学金制度「SMUアクセス」を設立すると発表した。
SMUアクセスは、大学での課程や他の奨学金受給の有無に応じて最大年間1万2500シンガポールドル(以下ドル)を受け取れる。毎年20〜25人を対象とする見込み。
奨学金を受けるには、▽シンガポール国籍▽2017年度以降入学の全日制の学生▽家庭のHDBフラット(公団住宅)の大きさが3部屋以下▽家庭の一人当たり月額収入が625ドル以下▽家族がシンガポール国内外に民間不動産を所有していない▽授業料ローンまたは中央積立基金(CPF)教育ローンを受給している?の6条件に該当しなければならない。
SMUには既に複数の奨学金があるが、学費を全額負担する奨学金制度は初。地元のチャリティー団体クワント・エッジ財団から800万ドルの支援を得て設立され、政府の支援や大学の基金、外部からの寄付で維持される。別の奨学金を受給している場合は、不足分をSMUアクセスが補う形となる。
アーノルド・デ・マイヤーSMU学長は「SMUアクセスによって、成績に関係なく、受給資格のあるすべての学生が経済的理由で大学進学をあきらめる必要はなくなる」と述べた。(シンガポール時事)