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アジアの超富裕層に人気 シンガポールの不動産

[ 771字|2017.3.5|社会 (society)|アジア発 ]

 英系不動産仲介会社ナイト・フランクが1日発表した「ウェルスリポート2017」によると、シンガポールはアジアの超富裕層が海外で不動産を所有する場所として、英国に次いで人気の高い場所であることが明らかになった。

 ナイト・フランク・シンガポールのコンサルタンシー・リサーチ部門責任者、アリス・タン氏は、特にアジアの超富裕層にとってシンガポールは依然として居住、就業、事業展開の場所として魅力的な都市だと指摘。また、シンガポール政府による不動産価格抑制政策で価格自体は下落しているが需要は伸びており、不動産としての価値は相対的に高まっていると述べた。  タン氏は、シンガポールの不動産取得にかかる加算印紙税(ABSD)は現在15%で、香港の30%と比較すると安いとしながらも、中国政府も北京や上海のような「一線都市」(Tier1の都市)で不動産価格の抑制政策を行う可能性があるとの見方を示した。

 外国人のシンガポール不動産購入は2015年第4四半期以降、中国人が最も大きな割合を占めている。タン氏は、中国当局により国外への資金フローの規制が行われているが、中国人によるシンガポールの不動産への需要は今後も維持されるだろうと述べた。

 タン氏はまた、シンガポールの不動産購入に関心を示すマレーシア人とインド人も増えており、17年はシンガポールの不動産購入者のうち外国人の割合が前年の24.7%から25〜28%まで拡大すると予想した。

 今回の調査は、保有資産が合計で約2兆米ドルの超富裕層1万人以上を顧客とする世界のプライベートバンカー約900人を対象に実施された。ナイト・フランクは調査で、主たる住居を除いて3000万米ドル以上の資産を保有する個人を超富裕層と定義している。アジアの超富裕層は約4万6000人。(シンガポール時事)

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