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1月29日のまにら新聞から

国家警察の大掃除を 麻薬捜査の悪用

[ 780字|2017.1.29|社会 (society)|新聞論調 ]

 従業員が使用する机の引き出しに私服姿の警官が覚せい剤を入れ、その後麻薬取り締まりの捜査員が部屋に突入する映像が、監視カメラで撮影されていた。

 映像はラクソン上院議員が、韓国人男性殺害に関する上院聴聞会で26日に公開したものだ。映像に映っていた警官は逮捕されたが、元国家警察長官の同議員は、ドゥテルテ大統領が進める国家警察などによる違法薬物取り締まりが、いかに信用できないかを示す証拠として公開した。

 この数日前には、中国系フィリピン人コミュニティの犯罪監視機関が、過去数カ月で中国人の犠牲者を含む少なくとも11件の「身代金目的の誘拐事件捜査」があると明らかにしたばかり。韓国人男性殺害も国家警察違法薬物取締班に所属する警官が「身代金の捜査」で行っていた疑いだ。

 ドゥテルテ大統領は韓国人男性殺害事件に激怒し、韓国に対して正義を約束した。加害者に最大限の刑罰を科すことも誓った。その怒りは素早い起訴と誰もが遭う可能性のある同様の事件への対応策を示すことで実行に移されるべきだろう。

 対応策は国家警察を内部から大掃除することで初めて完了できる。まずは採用条件からだ。警官志願者はこれから精神鑑定を受けるようにすべきだろう。もっとも、それでは韓国人男性殺害の容疑者らはパスしてしまうだろうが。告発が正しければ、彼らは首都圏ケソン市の国家警察内にある違法薬物取締班のすぐ近くに停めた男性の車の中で、男性の頭をビニール袋で包み首を絞めて殺害したのだから。

 何人の警官が、麻薬戦争の名の下、このような凶悪犯罪を行ったのだろうか。韓国人男性や中国人の犠牲者が他の事件も白日にさらし、それらの加害者が司法の裁きを受けることを期待したい。政府は犠牲者を無駄にしてはならない。麻薬戦争での捜査の悪用が繰り返されることは避けなければならない。(27日・スター)

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