TPP年内承認は少数派
環太平洋連携協定(TPP)発効に不可欠な米国の議会承認の遅れが、他の参加国の手続き遅延を招いている。米議会の動向を見極めたい国が目立っているためで、年内にTPP承認の国内手続きを終える国は少数にとどまりそうだ。
マレーシアではTPP関連の法改正手続きは、ほとんど進んでいない。米国に押され、不本意な内容で合意させられたとの思いが根強く、再交渉をにらんだ対応が続く。ベトナムの承認も来年にずれ込む可能性が濃厚だ。国営メディアによると、グエン・ティ・キム・ガン国会議長は9月中旬、TPPについて「他国の状況や米大統領選の影響などを見る必要がある」と述べた。オーストラリアでも関連法改正が来年にずれ込む可能性が指摘されている。
一方、年内に国内手続きが終わる可能性があるのはニュージーランドやメキシコ。
シンガポールは政府が関連法改正案を議会に提出すれば、速やかに可決される見通し。ブルネイは国王の承認があれば関連法を改正できるが、具体的な動きは伝えられていない。(共同)