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10月10日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 679字|2016.10.10|社会 (society)|ハロハロ ]

 インドネシア・ジャワ島東部スラバヤ市南郊に、レーヨンやポリエステルを原料とする不織布の生産工場を立ち上げ、操業を始めてからちょうど1年半。その間、日本人駐在員6人を除いた従業員数は初期の24人から、今では5倍の120人に増えた。特徴は、全従業員のほぼ100%近くがイスラム教徒、約80%に当たる男女が工場から半径20キロ圏内の出身者であり、平均年齢も22歳と若いこと。

 工場のある地区は、高校卒業と同時に嫁ぐ娘さんも少なくなく、20代前半で子供2人の母親も珍しくない土地柄。しかも今年9月は、イスラム暦12月の「聖地巡礼月」と重なり、「縁起の良い月」とされたため、社内ではこれを機に挙式した従業員が7人(うち女性5人)にも上るなど、ちょっとした「結婚ブーム」が起きた。このうち1人は今年5月に高校を卒業、入社したばかりの18歳。結婚休暇を終え、出社してきた彼女は「両親の希望で結婚を決めた」と話すとともに、当面は仕事を続けたいとの意向を伝えてきた。

 輸出入部門を取り仕切る男性従業員も9月中旬、華燭の典を挙げた。相手は大学時代の同級生。披露宴に駆けつけると、民族衣装に身を包んだ新郎は「皆さんに祝ってもらうため、縁起の良い巡礼月を選びました」と、傍らに立つ着飾った花嫁を誇らしげに紹介してくれた。意外だったのは披露宴を新郎と新婦のそれぞれの家で行うこと。出席者も多く、豪華な衣装、食事やお礼の菓子などを含めた総費用は約90万円にも達し、その多くを親が出してくれたという。両親にとり自慢の息子、娘の晴れ姿が何よりの親孝行なのだろう。(道)

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