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8月28日のまにら新聞から

ポケモンGOと現実世界 社会現象となったゲーム

[ 738字|2016.8.28|社会 (society)|新聞論調 ]

 スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」のフィリピンでの配信開始のニュースは、九州滞在中に舞い込んできた。「90年代の子ども」世代としては、兄弟と毎日のようにポケモンのゲームをして育った時代が懐かしい。ポケモンはアニメ化し、1998年には映画化。人気は爆発し、首都圏マニラ市のディビソリア市場にも、カードゲームやメーンキャラクター「ピカチュウ」の人形があふれた。

 あれから約20年。既に大流行している同ゲームは、衛星利用測位システム(GPS)によって、現実世界で画面の向こうにポケモンが現れ、ポケモンの捕獲やバトルを楽しむというもの。エドサ通りでは、実際のネズミだけでなく、ネズミポケモン「ラッタ」に遭遇することができ、パシッグ川でコイのポケモン「コイキング」を捕獲できるかもしれない。

 実際に筆者も福岡にいるとき、ゲームアプリをダウンロードしプレーしてみた。歩き回ることで健康にもよく、街の探検もできる。柳川沿いでは、公園いっぱいにゲームをプレーする人々が集まっていて驚いた。

 確かに同ゲームはよくできている。しかし、ゲームでなく現実世界を優先することも大切だ。人々が侵入禁止の場所でプレーしたという事件は、世界各国で発生し問題となっている。第71回目の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列したときも、会場ではプレーできないようになっていた。市がゲーム会社に要望し、ポケモンが会場に出現しないよう設定させたという。

 比でこの設定を適用するならマニラ市のリサール公園だろうか。その場所が意味するものを各自が考え、ゲームをしないことによって敬意を払うべきである。現実世界とゲームの見境をつけることが大切だ。(24日・インクワイアラー・ギデオン・ラスコ氏)

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