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7月11日のまにら新聞から

汚職幹部の処罰徹底を 違法薬物との闘い

[ 701字|2016.7.11|社会 (society)|新聞論調 ]

 「いずれにしても」とドゥテルテ大統領は話した。いずれにしても、違法薬物取引に関与している警官は「反逆罪だ」と。空軍での記念式典の際、大統領は違法薬物と犯罪への強い対決姿勢をはっきりと説明するため、用意されていた演説の原稿を破り捨て、違法薬物取引との関与の疑惑がある警察幹部を特定し、警告した。

 名前が公表された退官者2人を含む警察5幹部は全員、関与を否定している。1人は、指摘は偽の情報で、大統領自身も何者かにだまされていると反論した。また、自分に降りかかった不名誉は、何か政治的な意図があるとほのめかした者もいた。5人のうちガルボ元警視監は3月に職を辞し、前政権与党自由党の大統領候補、ロハス前内務自治長官を公然と支持した。 

 かつて検事だった大統領は常日ごろから、法について熟知していると述べていた。もしドゥテルテ政権が5人の警察幹部を具体的な罪で訴追できたとしたら、それは彼が展開してきた違法薬物密売に対する撲滅政策の大きな勝利となる。そして、5人の幹部に対する告発は、新政権が本気であり、聖域は存在しないという強い警告となっている。

 大統領は先に、3人の現職警察幹部が違法薬物取引に関与していると指摘し、名前を公表されたくなければ自ら辞職するよう警告していた。しかし、誰一人として応じなかった。先月、大統領は政府機関の幹部35人が違法薬物取引に関わっていると指摘した。彼らの名前もいずれ公にされ、辞職を迫られるのだろうか。5人の幹部と同様、彼らも審判を受け、適切な処罰が科されなければならない。もしなされなければ、違法薬物を取り締まる闘いは支持されなくなるだろう。(6日・スター)

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