ハロハロ
病院や介護施設で働く外国人の日本語スピーチコンテストが開かれ、経済連携協定(EPA)に基づき訪日、研修中のインドネシア人の男性が1位に輝いた。一般財団法人の海外産業人材育成協会(東京)が主催し、今年で4回目。応募者36人の中から書面審査を経て選考された比人、インドネシア人、ベトナム人ら10人が出場、ジェスチャーなどを交えながら5分間の日本語スピーチを競い合った。
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インドネシア人男性が取り上げたテーマは片仮名で「カ・イ・ゴとは」。「かわいそう」「忙しい」「誤解」の頭文字から考えたと紹介、食事会で要介護者に怒られた誤解話を披露した。「空揚げにソースをかけますか」と聞くと、「いいよ」と言われたので、ソースを掛けたところ、「お前、あほか」と怒鳴られた。「いいよ」は「要らない」の意味だと聞き違いに気が付いたが、「日本語は難しい」と言って笑わせた。
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「介護の世界は国籍を越え、大切なのは心の絆だ」と呼び掛けたのは、3位に入賞した比人男性。亡くなった80歳の要介護者の「フィナーレ」に立ち会い、介護職の魅力を再認識したとしんみり述懐した。発表者たちの上手な日本語の話術に驚かされたコンテストだった。多くがEPAの外国人看護師・介護士候補者として訪日し研修中だが、難解な日本語障壁を乗り越え、国家試験に合格することを期待したい。(冨)