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11月9日のまにら新聞から

不可避の死と税 葬儀代の値上がり

[ 727字|2015.11.9|社会 (society)|新聞論調 ]

 米国建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンが残した「この世で避けて通れないものは死と税金だ」との言葉は、226年後の現在にも通じる。

 誰もが税金を納め、不死の者は誰一人いない。さらに、葬儀代が値上がりし続ける昨今は、葬儀費用や相続税の同時出費は時に、後に残された者の「ストレス死」を招くことすらある。

 また、有価証券や不動産、預金を相続する場合、さまざまな種類の書類提出を求められ、その手続きは煩雑極まりない。徴税目標額を達成するため、国税局が相続税課税を強化する中、同局のヘナレス局長は国家統計局に提出される死亡届や新聞の「お悔やみ欄」に目を光らせ、相続税未納の資産を接収する機会をうかがっている。「手続きを簡略化する魔法」で脱税する方法もあるだろうが、魔法使いに渡す金がない者にとって、国税局の網から逃れる道はない。

 納税と同様、死も大きな出費を伴う。高額な医療費と葬儀代は一般家庭の蓄えを一気に無に帰してしまう。葬儀費用は、最低でも8千ペソ、豪華なひつぎなどを使うと100万ペソを超える。例えば、首都圏ケソン市の斎場で、150人収容可能な部屋を借りた場合、一晩当たり5万ペソ以上の出費を覚悟しなければならない。50万〜100万ペソのひつぎ、5万ペソを超える骨つぼもある。

 死に伴う出費の「痛み」を増す要因は、高額な葬儀代だけではない。身内が死亡した場合の費用を口にすると、「お前は不謹慎なやつだ」と叱られる。葬儀費の捻出方法などを前もって話し合う機会はほとんどなく、身内が亡くなった途端、「葬儀代をどうしよう」、「みっともないことはできないので、遠戚に借りよう」と慌てふためくのである。(2日・タイムズ、ティタ・バルデラマ氏)

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