終わらぬ銃弾騒ぎ マニラ空港
英BBCテレビまでもがついに報じ始めた。乗客をえじきにした終わらぬ銃弾騒ぎについてだ。マニラ空港では、X線検査担当の職員が乗客のかばんに銃弾を入れ、口止め料を巻き上げるという恐喝事件が相次いで発生している。
「留置場に拘束されていた乗客数人は無実が証明され釈放された。一方で罰金を払うことを拒否した乗客で裁判にかけられている者もいる」とBBCは報じている。
一連の騒動は、マニラ空港で恐喝事件に遭い、口止め料700ペソを払ったフィリピン系米国人が、米国に帰国後、インターネット上に事件の詳細を暴露し、掲載された文が拡散されたことから始まった。
その後、米国人宣教師の青年が銃弾所持で口止め料3万ペソを要求されるなど、外国人旅行者やフィリピン人海外就労者(OFW)が被害を受ける恐喝事件が相次いだ。日本人観光客の被害も出ている。
22口径拳銃や45口径拳銃の銃弾は、繰り返し同事件に使われている。同じ銃弾が複数の被害者に使用されている可能性もある。すでにOFWも被害に遭っているが、連日の恐喝事件は、クリスマスを前にして比に帰国する多くのOFWを想定した「予行演習」なのかもしれない。
なぜ大統領府は事件に関与したとされる運輸通信省の交通保安局職員を解雇処分にしないのだろうか。空の玄関の平穏を保ち、OFWや空港利用者を守るためには賢明な選択だと思う。
さらに、マニラ空港公団(MIAA)のホンラド総裁は、なぜ騒動の責任を取って辞任しないのか。なぜ銃弾騒動がこのように長期間にわたって続くのか、また誰がこの騒動で利益を得ているのだろうか。(10月31日・インクワイアラー)