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8月10日のまにら新聞から

自国語を愛そう 国語月間

[ 719字|2015.8.10|社会 (society)|新聞論調 ]

 8月は国語月間で、国語委員会(KWF)主催の各種イベントが予定されている。フィリピンの言語、文化にあらためて目を向ける絶好の機会に「国語」をめぐる問題を提起したい。

 その一つが表記方法。私自身、「フィリピノ」が比人、「ピリピノ」が国語を意味すると思ってきたが、大統領府公式サイトによると、国語は「フィリピノ」という。「ピリピノ」は中南部ルソンで使われる地方言語、「フィリピノ」は他地方のセブアノ語などを含む比固有の言語と定義する文献もある。国民の多くも表記法に迷っていると思う。KWFの公式見解は「首都圏や比各地の都市部で使われる比固有の言語を国語フィリピノと定義する」という。

 もう一つの問題は国語教育を主導するKWFの予算増額だ。グローバル言語の英語と同様、国語「フィリピノ」の教育に政府はもっと力を注ぐべきだろう。私が記者を始めたころ、公文書などの使用言語をフィリピノ語に限定する大統領令が出た。役人の多くは、使い慣れた英語表現をフィリピノ語に変える作業に四苦八苦した。

 自国語に固執する中国人や日本人、韓国人は英語を話せても、自国語を使い、通訳を介して外国人と交渉を行う。対照的に、外国人と話す際、フィリピノ語と英語通訳を使う比の役人、財界人を、目にしたことはない。通訳雇い入れなどコストを節約できるという意見もあるが、大切なことは自国語をどれだけ愛しているかだろう。

 正しい文法やつづりを使えるかどうかは別にして、比国民は他国の人々より豊富な英語の知識を有している。しかし、多くの国民が理解できるのはフィリピノ語であり、国のリーダーたちはもっと積極的に国語を話すべきだ。(3日・タイムズ、ティタ・バルデラマ氏)

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