防衛力高める努力を 日本の安保法案改正
フィリピンと中国との間でしばらく前に南シナ海における領有権問題に火が付いた時、米政府は比を防衛するという固い約束をした。これと同じ時期に、東シナ海でも中国と日本との間で台湾と沖縄の間にある小さな群島をめぐる領有権問題が発生しており、そこでも米は日本に対し、紛争時における防衛協力を約束している。この東シナ海の領有権紛争の中心は8つの島や岩礁であり、日本は現在、実効支配しているが、中国も領有権を主張している。13年11月、中国は領有権紛争地を含む東シナ海に「防衛識別圏」を設定すると発表、外国航空機の侵入に際しては中国への通告を義務づけたが、日本は一方的措置と非難、無視している。
今回、日本政府は自衛隊の役割と行動範囲を拡大させる一連の安保法案を承認し、国会に提出した。安倍首相は、日本はもはや地域の安定を維持するという義務から目を背けなくてもよくなったと説明している。米による安全保障の傘から一歩外に飛び出す時が来たとも述べている。法案が成立すれば、日本のよく訓練され、優れた装備を持つ自衛隊の役割が拡大されて、70年ぶりの第一歩を踏み出すことになる。マッカーサー連合国最高司令官の下で日本が1945年に憲法を制定して以来、軍隊は廃止され、戦争への参加は禁じられてきた。安倍首相は法案を通じて、「集団的自衛権」の下で、自衛隊が米との安保条約における積極的な役割を持てるようにしたのだ。
フィリピンは日本の動きを注視している。比政府高官も軍隊を増強させる必要を感じているかもしれない。しかし、われわれは日本と違って地域の軍事大国を目指すわけではなく、米の保護に頼り続けるだろう。限られた能力であっても防衛力を高める努力は可能である。(20日・ブレティン)