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4月27日のまにら新聞から

関係再構築が必要 比中領有権問題

[ 706字|2015.4.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピン沿岸警備隊は19日、比中両国が領有権を争う西フィリピン海(南シナ海)スカーボロ礁近海で中国政府の警備艇が操業中の比漁船を追い払ったことを確認した。

 比沿岸警備隊の報告はコロマ大統領府報道班長を通してその日の午後に報道陣に公表された。「比漁船の乗組員が何人かはまだ未確認」と同班長は声明で伝えた。

 声明はまた、沿岸警備隊が国防、外務両省に報告書を提出したとも伝えた。

 被害に遭った漁船の乗組員はルソン地方パンガシナン州の漁師たちで、中国船から放水砲を浴びせられたという。

 国軍のカタパン参謀総長は以前に、西比海で操業する漁船に対しては、中国のいやがらせから守るために必ず沿岸警備隊が随伴する方針を検討していると話したことがあるが、今回の事件で、その方針が実現していなかったことが明らかになった。

 中国はフィリピンが領有する小島を占領し、拡張している。これは比漁船による目撃例だけでなく、衛星写真からもはっきりと分かる。

 比政府は、自国領海の漁業権を守るために努力していると主張する。コロマ報道班長はテレビ局のインタビューで「領海警備のため海軍や沿岸警備隊の強化を進めている。実現すれば比の漁師は守られ、(中国の警備艇が比漁船を追い払った事件と)同様の事件が発生しても即座に解決できるようになる」と話した。また、「海軍、沿岸警備隊いずれでも装備近代化を進めていく」と述べた。

 米国との防衛協定がより強固だったら、我々は希望を持ち、中国はただでは済まないだろう。

 私たちは今までの防衛協定を見直し、外交努力によって中国との関係を再構築しなければならない。(20日・タイムズ)

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