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4月13日のまにら新聞から

演習より話し合いを 領有権問題

[ 681字|2015.4.13|社会 (society)|新聞論調 ]

 比米合同軍事演習「バリカタン2015」がオーストラリア軍も参加して、4月20日から30日まで行われる。今年は主要な活動が三つある。

 パラワンやパナイ島での人道支援事業、タルラックやパンパンガ、カビテやヌエバエシハ各州での陸上軍事演習、西フィリピン海(南シナ海)南沙諸島での海軍、空軍による軍事演習である。海上演習では比から艦船1隻、米海軍から同3隻が参加、米軍機76機と比軍機15機も加わる。

 比米両政府の幹部は軍事演習が「特定の国を想定したものではない」と強調しているが、最近の国際関係を考慮すると中国に対し強いメッセージを発信するものといえよう。中国は南シナ海の大部分を範囲に含む「九段線」と呼ぶ領有権主張を行っている。

 数年前、比が自国の排他的経済水域にある砂州を開発しようとしたところ、中国が強く干渉した。比は直接的な紛争を避けるため強硬な主張を抑えた。しかし、中国は最近、比が領有権を主張する岩礁や砂州を埋め立てる行為を進めている。比は自国の主張を押し通すことができず、国連海洋法条約に基づき国際仲裁裁判所に申し立てた。しかし、中国は二国間で交渉すべき問題だとして裁判所への参加を拒否している。

 比米合同軍事演習と平行して東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットがマレーシアで4月26〜28日に行われる。アキノ大統領はサミットの場で、法的拘束力のある「南シナ海行動規範」の策定を訴えるとみられている。問題を解決するためには、合同軍事演習のような力を誇示する方法よりも、外交努力によって解決する方法がより望ましい。(10日・ブレティン)

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