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2月16日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 696字|2015.2.16|社会 (society)|ハロハロ ]

 「月はじめに立春となるため、陽暦でも春に入るが、実際の感覚としては一段と寒気の厳しい季節」。日本大歳時記「春」(講談社版)はこのような書き出しで「二月」の解説を始めている。「寒かった」という記憶はあるが、神奈川県藤沢市で暮らしていた時、それがどれほど厳しかったのか││。日比両国の気象庁が2月12日に発表した前日(11日)の最低気温を見ると、東京0・6度、マニラ19・3度、最高は東京10・0度でマニラ28・6度。大きな数字の違いを読みとってほしい。

 マニラ首都圏南郊で背を伸ばすマキリン山(1130メートル)。10年ちょっと前、筆者はマカティ市から、そのふもとのラグナ州カランバ市のはずれにある丘陵地に居を移した。ここ数日、マキリン山から吹き下ろす北東の風は肌寒い。拙宅から望むラグナ、バタンガス両州にまたがって広がる森林や草原の濃淡様々な緑の美しさは見飽きることがない。だが、小さな拙宅の庭に植えた草花も彩り豊か。その一つがピンク色のハイビスカス。広げた手のひらよりも大きい花40輪もが毎日咲き続けてくれている。

 話題は大きく変わる。今年は太平洋戦争終結から数えて70年。戦場になったフィリピンは前大戦が残した様々な出来事が話題になっているが、カランバ市でも思いもかけない出来事があった。以前、同市で発行された広報誌の「歴史」の項で、日本陸軍が1945年2月12日に同市リアルの部落を焼き討ちにし、住民400人を虐殺したと伝えている。この部落は毎月、在比邦人組織の南ルソン支部が集会を開くすぐそば。近くにある「REAL小学校」の横を通る度に気が重くなる。 (濱)

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