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10月27日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 738字|2014.10.27|社会 (society)|ハロハロ ]

 エボラ出血熱がギニアやシエラレオネなど西アフリカ4カ国で猛威をふるっている。致死率は50%を超えており、死者は5千人に迫る勢いだ。エボラとは患者が発症した地域であるザイールのエボラ川が名前の由来という。世界でこれほどの病気の大流行は最近なかったように思う。1980年代にエイズの発症が初めて確認され、米西海岸でパニックになったことを思い出すが、それ以来の恐ろしい病気の大流行といわれている。

 すでに政治的な課題となっている米国では、オバマ大統領はヒステリーになってはいけないと国民に冷静な対応を呼び掛けている。しかし、テキサス州ダラスやオハイオ州クリーブランドなど関係地の状況をテレビで見る限り、感染が疑われる人への経過観察をめぐって、21日間の潜伏期間中はものものしい隔離のようだ。米テレビは連日、エボラウイルスは感染などの基礎知識を報道しているほか、フェイスブックでも情報が飛び交っている。全身白い防護服姿の看護の人々の映像を前に冷静になれという方が難しい。テレビは抑え気味の報道だが、大都市ダラスの緊張ぶりは容易に想像できる。

 つくづく思うのは、エボラ出血熱の拡大を国単位での水際だけでなく、発症地域に封じ込めて撲滅していこうという国際的な視野でものを考えられる国は、米国だけのようだ。中国や日本など経済的に豊かな国でも、大規模な人員を西アフリカに派遣し、治療のための隔離施設を建設するなどという大胆な発想や行動力は出てこない。英国も兵員を大量派遣するという。感染の疑わしい人が乗った豪華クルーズ船が寄港拒否にあったらしいが、残念というしかない。エボラと過激派「イスラム国」については世界中がスクラムを組んで立ち向かっていく必要があると思う。(実)

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