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10月20日のまにら新聞から

疑惑を忘れるなかれ 警察長官の大邸宅

[ 722字|2014.10.20|社会 (society)|新聞論調 ]

 上院聴聞会で、首都圏マカティ市のメルカド元副市長が「ビナイ副大統領の隠し資産」と証言したルソン地方バタンガス州の大農園。その陰で、すっかり忘れられた感のあるプリシマ国家警察長官の大邸宅。

 先日、プリシマ長官は警察担当の記者らを大邸宅へ招き、4・5ヘクタールの敷地内を案内した。しかし、豪華なベッドルーム4室を備えたプール付き「休養施設」などを、警官の給与でどうして建てられたのか、という疑問は残ったままだ。

 首都圏ケソン市の国家警察本部にある「ホワイトハウス」と呼ばれる長官官舎の補修工事にも不明な点がある。情報筋によると、総額2500万ペソの工事費は全額公金。国家警察予算をやりくり、または流用して捻出されたという。

 これに対し、長官自身や国警幹部らは「公金は1ペソも使っていない」、「全額、寄付で賄った」と言い張り続けているが、真相は今も闇の中だ。

 ビナイ副大統領の大農園について証言した元副市長は「大農園は350ヘクタール。わずか4・5ヘクタールで非難されるプリシマ長官がふびんだ」と同情して見せたが、問題は金額や土地の大小ではない。

 元副市長と同様に、エンリレ上院議員ら野党議員の補助金不正流用疑惑に厳しい態度で臨んだアキノ大統領も、国家警察トップの疑惑では「長官擁護」ともとれる発言を繰り返している。

 最近も、インドネシアを訪れた際、同行記者団に「以前、ヌエバエシハの長官宅(大邸宅)連れて行ってもらい、うれしかった。隠すことが何もないからこそ、人を招ける」と発言したが、われわれは、大統領がこのような言動を続けるからこそ、国警長官の疑惑から目を離してはならない。(13日・マラヤ、エレン・トルデシリャス氏)

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