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8月25日のまにら新聞から

癒えない心の傷 元慰安婦問題

[ 699字|2014.8.25|社会 (society)|新聞論調 ]

 第2次世界大戦時に旧日本軍から性的暴行を受けた比人女性の支援団体が、日本政府の公式謝罪と賠償を引き出すよう比政府に支援を求めた裁判で最高裁は、同団体の再考申し立てを棄却した。これで正しい歴史の道を歩む機会が損なわれた。

 国連はすでに、1940年代に日本軍による性奴隷犯罪の事実を認めた。女性たちは慰安所へ連行され、何度も性的暴力をふるわれた。戦後、女性たちは社会から見捨てられ、その苦しみを打ち明けられない絶望の運命に陥った。

 韓国の憲法裁判所は2011年、元慰安婦の賠償請求権問題をめぐって韓国政府が具体的な措置を講じなかったのは違憲との判断を下した。

 フィリピン大法学部のロケ教授はこの経緯を踏まえ、元慰安婦たちの主張を比政府が認めるよう最高裁に申し立てたが、判断はこれまでと変わらなかった。

 しかし、判断が動く時もある。最高裁は昨年、国会議員向け優先開発補助金の違憲性を認定。不健全なシステムも時には機能すると当惑したが、こと慰安婦問題に至ってはやはり同じようにはいかない。

 ソーシャルメディアの時代において、高齢の女性たちが新聞記事になる割合は少ない。政治家たちが大衆に迎合して最後まで戦い抜くことができないのなら、今後の好転を期待することはできない。

 ゆえに元慰安婦たちの主張をくみ取るのは活動家しかいない。元慰安婦の苦悩に向き合えない政治家たちは恥を知れ。優れた法的見解は、元慰安婦問題の解決を先延ばしするための言い訳ばかりを探そうとする。そういった背信行為が常態化すれば、正しい道に進むための苦渋の決断は永久にできなくなる。(22日・インクワイアラー)

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