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8月11日のまにら新聞から

任期延長案の狙い 憲法の改正

[ 699字|2014.8.11|社会 (society)|新聞論調 ]

 マルコス独裁政権以来、権力維持への欲求や任期延長のための法案作成はその政権が破滅するきっかけだった。

 2010年、アキノ大統領が選挙で勝った理由の一つは、大統領の母、故コラソン・アキノ元大統領と同じで、権力への執着がなく、次期大統領選でも平和裏に、心から望んで大統領の座を後継者に委ねるであろうという認識が国民にあったからだ。

 この認識は、大統領が公約した「真っ直ぐな道」への国民の信頼につながった。大統領がラモス、アロヨ両政権が力を入れた憲法改正を拒んだことも、大統領の行動が権力維持のために行われていることではないと国民に信じさせた。憲法改正には経済関連条項の改正と同時に、大統領任期などを定めた政治関連条項の改正という二つの意味があるからだ。

 しかし、その認識は今、揺らいでいる。政権与党内から大統領再任案が浮上しているからだ。案を完全に否定する代わりに、大統領報道官は「大統領は『ボス』が望むことに耳を傾ける」と話した。「ボス」が国民を指すのか、与党自由党の党員を指すのか、それは明確ではない。

 再任案の浮上は、政権与党にとっては良いことかもしれないが、任期後半に入り、未解決の問題に対処することが精一杯な大統領個人にとっては避けたいところだろう。

 任期延長のために憲法を改正するという動きへの批判が強くなると、改憲全体への懸念が強まり、経済関連条項の改正もかなわなくなる。それとも、それが現政権の真の狙いなのだろうか。もしそうなら任期延長の時期がきたら、大統領は彼の「ボス」、与党以外の国民に対し「本当は延長には興味がないんだ」と明言するに違いない。(8日・スター)

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