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1月27日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 763字|2014.1.27|社会 (society)|ハロハロ ]

 月の満ち欠けを基準にした陰暦で、1年を24の時期に分けた一つが「大寒」。それは太陽暦の1月20日から立春までの15日間だが、今の暦では、その最初の日を「大寒」と呼んでおり、今年は先週の月曜日だった。この季節が一年で最も寒いといわれているが、「大寒」などという言葉が、南の国にいて頭に浮かんでくるとは思わなかった。ところがマニラ首都圏南郊で背を伸ばすマキリン山ふもとの丘陵地は、住み出して10年になるが、これまでに経験したことのない寒い日がここ数日、続いている。

 毎朝、室内の気温はやっと20度を超す程度。「寒い!」と、毎朝、久しぶりに長そでのシャツに手を通す。「わが家も朝方は涼しいけど、ここの寒さはダブル」とマカティからやって来たフィリピンの友人。拙宅からラグナ、バタンガス両州にまたがって広がる森林、草原や真下にゴルフ場が見下ろせ、はるかかなたで光るタール湖の水面を眺めることができる。海抜にすると拙宅は350メートルの高台にあるので、標高

千メートルを超すマキリン山の北斜面から山肌に沿って吹き下ろす北東の風が「寒さ」をもたらすのではないかと、勝手に考えている。

 20度で寒いなどと言うと、日本にいる友人に笑われるに違いないが、そんな中で、うらやましがられるに違いないのは、日本では真冬のこの時期に庭を豊かに彩る花たち。一つだけ紹介すると、比国原産のデンドロビューム。ヤシの木に着生した蘭で、房状に伸びた40本ほどの花の茎から左右交互に咲いた1センチたらずの愛らしい白い花がそれぞれ30本ほど風に揺れている。「可憐」としか表現のしようがない。世の中が安泰であることのたとえに「五風十雨」という言葉がある。これを願って、拙宅の居間に奈良・東大寺の元管長清水公照さんが書かれた色紙を掛けている。(濱)

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