上院議員は疑問に答えよ
弾劾裁判めぐる圧力疑惑
国会議員向け優先開発補助金(PDAF、通称ポークバレル)の不正流用事件で、起訴勧告対象になっているレビリヤ上院議員はこのほど、本会議場の特別演説で、不正流用事件に対する自身の関与を否定し、批判の矛先をアキノ大統領とロハス内務自治長官へと向けた。
同議員は、大統領が同議員に「友よ、言っておきたいことがある。私に票をくれ。彼は弾劾されるべきだ」と話しかけてきた、と明らかにした。コロナ前最高裁長官の弾劾裁判で支持を求められたという。
これを受けて21日、コロマ大統領府報道班長は大統領がレビリヤ議員に会ったことを認めつつ、「大統領は、弾劾裁判に影響を与えようとしている特定の組織が、同議員に圧力をかけているという報告を受けており、真偽を確かめようとしただけだ」と否定した。
特別演説で、同議員は自ら抱えている疑惑を振り払おうとした。しかし一方で、自分が政治の舞台から引きずり下ろされる際には、大統領も道連れだと暗にほのめかしたといえる。
自らへの非難をかわす一方で、他者への新しい非難を生み出すというやり方は、最高の防衛策だ。レビリヤ議員は同僚議員に自身の無実を信じ込ませることに躍起になっているが、その一方で、彼はもっと重要な点に気付かなければならない。「国民は彼を信じるのか」ということだ。
その答えは、次の疑問に彼がどう答えるかによって導き出される。弾劾裁判後に、有罪評決を下した上院議員にのみ配られた「報奨」を、彼はわいろだと思っているのか。なぜ「報奨」が配られた時、彼は非難しなかったのか。そして、なぜ彼はその「報奨」、PDAF5千万ペソを受け取ったのか。同上院議員はこれらの疑問に対し説明する必要がある。(22日・マラヤ)