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10月21日のまにら新聞から

次の災害に備えよ

[ 683字|2013.10.21|社会 (society)|新聞論調 ]

ボホール地震の教訓

 世界でも有数の自然災害国フィリピン。ボホール地震は、この悲しい事実をあらためて証明した。

比が抱える災害は、地震だけではない。年間で平均20個の台風が襲来する。2011年の台風センドンでは千人以上が死亡した。農作物とインフラ被害は数10億ペソに上った。

 火山の噴火もある。1991年6月、パンパンガ州のピナツボ火山が噴火した。死者が少なかったのが救いだったが、噴出した大量の火山灰で民家が埋まり、川や水路が地図から消えた。

 ボホール地震では、観光名所として知られるロボック町のサンペドロ教会の屋根や壁が損壊した。歴史ある六つの教会も被害を受けた。セブ市でも三つの教会が被災した。

 今回の地震が最後でもないし、最悪の地震でもない。現在の技術では、次の地震がどこで、いつ起きるか予測することはできない。次はマニラ首都圏で起きるかもしれない。そうなれば住民1200万人、全人口の13%が被災する恐れがある。

 私たちは、事前に台風の進路を予測し、上陸を予想することができる。それにもかかわらず、洪水や土砂崩れで数百人が毎年のように死亡する。災害対策が不十分なためだ。

 いかに死傷者を出さず、地震被害から生き残るか。これが私たちが直面する課題だ。ボホール地震では、建物の崩壊によるのではなく、パニックにより出口に殺到した避難者の波に押しつぶされて9歳の女児も含めた人たちが死亡した。国家災害対策本部は、災害時の適切な行動を国民に教育すべきだ。災害が起きたら整然と行動する。それが自身の生存にもつながることをわれわれは自覚すべきだ。(17日・タイムズ)

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