取り締まり強化を
バランガイ選挙違反
バランガイ(最小行政区)選挙が28日に行われるが、中央選管は選挙規則を有効に活用すべきであり、これを無意味な脅しとしてはならない。
この選挙規則では、選挙期間前の事前運動も取り締まりの対象。有力者とコネがある者を中心に、多くの候補者が認知度を上げ、対立候補に打ち勝つ術を探している。候補者がきまって使う、現職の地方議員ら政治派閥の威光を借りたおなじみのポスターなど、関連の小道具が街頭にあふれ出している。
候補者は正式な選挙期間が10月18日から26日までの1週間であることを感謝すべきだ。経費が少なくて済み、それぞれの選挙区で有権者に政策を訴える時間も十分に与えられているからだ。バランガイ議員は草の根政治を担っている。しかし、そうした特徴の故に、大政党や有力政治家がバランガイ議員の支援を必要とし、多くの政治資金がバランガイ選挙に投入される。
もし、中央選管が本気で選挙運動を取り締まるならば、政党や現政権関係者も含め、バランガイ選挙運動に誰が資金を提供しているかを特定すべきだ。中央選管は明確な取り締まり方針も示すべきだ。
残念ことだが、中央選管による過去の選挙取り締まりは褒められたものではない。選挙運動が汚職の根源になっているケースが多い。見返りを求める資金提供者は、候補者に選挙の軍資金を無制限に提供する。その結果、当選を果たした候補者は、今度は資金提供者に談合などを通じて得た不正資金を際限なく還流することになる。
中央選管は5月の統一選でも選挙運動の取り締まり強化を図った。しかし、その試みは最高裁に妨害された。今回のバランガイ選挙ではうまく対処すべきだ。(10日・スター)