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9月2日のまにら新聞から

被告を証人に

[ 709字|2013.9.2|社会 (society)|新聞論調 ]

流用疑惑の真相追及

 ナポレス被告が検察側証人になる可能性がある。そうなれば事態は一変する。優先開発補助金(通称、ポークバレル)流用疑惑の捜査は大きく変わり、公金流用に関わった者たちへの追及が容易になるはずだ。

 一方で同被告の出頭は、公金流用疑惑が浮上した上下両院議員を特定するための陰謀との説がある。しかし、それは的外れで無理な言い分だ。

 会計検査院の報告によれば、上院議員12人と少なくとも下院議員100人以上が、架空の非政府組織(NGO)82団体に計約100億ペソのポークバレルを支出した。 

 疑惑は国会議員だけでなく農務省など各省庁にも及ぶ。もし政府が入院患者なら、生命維持装置のプラグを引き抜くのが最善の方法だろう。がんは既に主要器官に転移している。

 この国を救えるのは今、検察官と判事だけだ。司法省と行政監察院は、大量の議員とナポレス被告を略奪罪で起訴すべきとの見解を示した。

 疑惑が浮上した上院議員は既に、被告の抗弁とも受け取れるような発言をしている。12人のうち5人が、ナポレス被告との面識は一切ない、と主張した。しかし会計検査院には、ポークバレル支出への署名が残っている。この証拠について議員は「署名は偽造だ」と反論する。  

 NGOが架空とは知らなかった、と主張する議員もいる。このNGOには全く事業の実績がない。少なくとも疑義ぐらい持って当然だろう。何も知らずに22回にわたり補助金を支出した議員は、何と幸せなことであろうか。

 数百万ペソの公金を支出しておいて、相手の団体に無知とはおかしな話だ。この国の貧困が未解決な本当の理由は、公金をだまし取る者がいるからだろう。(30日・タイムズ)

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