真相究明を急げ
警官による容疑者射殺
警官から拳銃を奪おうとしたとして、警官が護送中の強盗組織のリーダー格の容疑者2人を射殺した。ロハス内務自治長官は、殺害が目的だったのでは、と疑っている。警察幹部や政治家が絡んでいる、との情報もある。
容疑者は、首都圏モンテンルパ市の刑務所に移送されるはずだった。しかし、国家警察カラバルソン地域本部の護送班は「取り調べをする」としてカビテ州に向かった。
ロハス長官は事件を受け、同地域本部の本部長ら警官15人を解任処分にした。大抵の国民は、徹底捜査をし、首謀者を洗い出すという当局の説明を聞いて納得する。だが、批判的な人々は、警察が新情報を出すと期待してない。
現政権は、ラモス、エストラダ、アロヨ各歴代政権との違いを証明できないままだ。、警官絡みの重要事件は、解決されたことがない。事件の真相は隠され、関与した警官は一時的に現場を離れ、ほとぼりが冷めると別の警察署に配属される。
今回の事件は、ルソン地方ケソン州で1月、犯罪組織の構成員とされる男性13人が射殺された事件に続くものだ。警官と国軍兵は、検問所で待ち伏せして殺害した。標的は違法賭博のボス1人だけだった。この射殺を指揮したマランタン警視補を擁護し、事実上、無罪放免にしたラクソン前上院議員が、犯罪取締機関のトップに就こうとしている。
ラクソン氏は、警官が持つ自衛本能を責めるべきではない、との持論を持つ。警官は日々、危険に直面しているため、すぐ銃を抜いてしまう。結局、彼らの訓練はそのためなのだ。だからといって、警察に身柄を拘束され、手錠をかけられた無防備の人たちを殺した、過去の多くの事件を水に流すことは許されない。(19日・タイムズ)