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6月10日のまにら新聞から

あまねく教育を

[ 739字|2013.6.10|社会 (society)|新聞論調 ]

義務教育12年制

 教育省が幼稚園の義務化と初等・中等教育12年制を導入して、今年で2年目になる。私は新制度に大きな期待は抱いていない。もちろん、教育の重要性は信じる。貧困から抜け出せる唯一の方法があるとすれば、それは教育なのだ。政府が経済成長を維持するのに必要なのは貧困撲滅だが、それには教育の普及が大切である。現金給付事業でも、道路や橋を作ることでもないのである。

 今の教育の問題点は、一部の国民しか十分な教育を受けられない点にある。12年制にして教育の質を高めるよりも、国民に広く教育を施すことの方が急務なのだ。どうすれば、国民の大半を占める貧困層の子供たちができるだけ教育を受けられるようになるのか。それを真剣に議論すべきだ。読み書きや計算のできない者が、人生でチャンスをつかむことは不可能だろう。

 教育の普及を進めるためには、今以上に予算が必要だ。もし、教育予算が足りなければ、国は借金してでも、資金流用をしてでも、他の省庁に頼み込んででも、資金を調達すべきだ。また、もっとボランティア活動を利用してはどうだろうか。エドサ革命の精神に共鳴し、3年前のアキノ大統領の選挙キャンペーンを支援した大量のボランティアたちに、教育ボランティアとして活動してもらうのも一案だろう。

 ストリートチルドレンに読み書きを教えるために、荷車に教材を積んで青空教室を開く運動を進めているエフレン・ペニャフロリダ氏の活動は注目に値する。学校に貧しい子供たちが来るのを待つより、教室を子供たちのいる場所に移すのである。最近の情報通信革命で、教科書がなくても、教材はダウンロードできるし、タブレットなどがあればどこでも勉強できる。まず、教育に着手せよだ。(5日・インクワイアラー、コンラド・デキロス氏)

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