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3月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 743字|2013.3.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 初めて、フィリピンで長距離バスに乗り、バギオへ行った。夏の首都と呼ばれる標高約1500メートルの高原の街だ。確かに、気温は日本の9月といった感じ。3日間の滞在は、すこぶる快適であった。フラワーフェスティバルと呼ばれる「バナグベンガ」(花が開く頃)が開催される直前で、繁華街のセッション通りでは、祭りのイルミネーションがすでに、観光客を待ち受けていた。

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 長距離バスは寒い、と聞いていた。毛布を持ち込んだ方がいいとか。でも、私が乗ったバスは、いわゆる「デラックス」で、車内は適温、トイレは清潔。首都圏パサイ市のターミナルで乗車直後、制服、制帽の女性添乗員が飲み水のボトルと、小さなチーズケーキ、チップスを配ってくれた。

料金は720ペソ。うち5ペソは損保で、死亡時の受取額は2万5千ペソ、つまり、約5万円であった。日本人には、気休めの保険であろう。

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 泊まったホテルは山小屋風、といったところか。入り口に「1909年」の表示がある。この国では、歴史的建造物と言える。受け付けの男性は、バギオに現存する最も古い建物、と言っていた。本当かなあ。共同通信の三井マニラ支局長が、今日の2面トップで書いているけど、今年は日本人のフィリピン集団移住から、110周年。日系人団体の責任者にきいたら、実際に日本から集団移民の第一陣がバギオに到着したのは、1903年2月20日だという。都合で、記念行事は9月にやるそうだ。そんな話をするうちに、悪いくせで、ずいぶん高価な本を買ってしまった。ちょうど10年前、集団移民の百周年を記念して出版された豪華版。『日本人開拓者たち』という表題の英語本は、初期移民の苦闘と喜びを肉声で伝えており、2500ペソは安いと思う。(竹)

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