今こそ行動を
女性への暴力撤廃宣言
インドの女性たちが自国で起きたレイプ事件に対する抗議活動を続ける最中、国際女性デーを迎えた。男女平等を求める戦いは過去数十年で一定の成果を達成した。しかし、女性への暴力問題には、多くの課題が残っている。
フィリピンでも、家庭内暴力や差別から、女性を保護する複数の法律が成立している。それにもかかわらず、問題はなかなか解決しない。
国連総会は1993年12月、女性暴力撤廃宣言を採択した。その翌年、ルワンダで起きた大量虐殺では、25万人から50万人の女性がレイプの被害を受けた、とされる。
国連報告によると、自らの人生で何らかの性的暴行を受けた女性は全世界で70%に上る。うち半数の被害者が16歳未満である。
家庭内暴力を犯罪としない国に住む女性は、6億人を超える。今も、1億4千万人の女性が性器切除を経験し、妊娠中の女性ですら暴力を免れることはない。妊娠中の女性の25%が暴力を受けたことがあるとする国連報告もある。
人身売買被害者約80万人のうち80%は女性で、その79%は性的搾取が目的だった。また、世界中の600万人の女性が18歳未満で結婚を強制されている。
女性暴力撤廃宣言の採択から20年を迎えた今年、国連は、女性暴力問題の終結に向け、国際社会に宣言の順守を徹底するよう呼び掛けた。国連の潘基文事務総長は語る。
「すべての国、文化、社会に当てはまる普遍の真理がある。それは女性に対する暴力は決して受け入れることができず、絶対に許されるべきではない」
国連は世界に警鐘を鳴らす。「約束を守り、女性への暴力を終わらせるため、今こそ、行動する時だ」(8日・スター)