警察への信頼回復を
銃器使用犯罪の多発
1月6日にケソン州の検問所で13人が射殺された事件以降、強盗や貴金属店荒らしなどの犯罪に関するニュースが絶えない。13人射殺事件では国家捜査局が犠牲者たちは銃撃戦ではなく、一方的に警察部隊によって「処刑」されたと結論づけた。これらの犯罪事件は犯罪者による法律や治安に対する全面的な破壊行為であると同時に、警官の規律の破壊行為でもある。経済発展が話題になる中で、犯罪事件の頻発により、この国で生活することがはたして安全なのか、国民の間で懸念が強まっている。
アキノ大統領も最近、マンダルーヨン市のショッピングモール内で発生した貴金属店強盗事件に危機感を持ったようだ。選挙を控えた銃携帯禁止期間であるにもかかわらず、犯人の一人が拳銃を持っていたことも分かっている。つまり、この禁止措置や検問所の設置が犯罪抑止に全く役立っていない。この事件を受け、国家警察の中では、マカティ市の商業施設地区に警官を毎日、8千人から1万人常駐させ、警戒する計画も浮上している。しかし、相次ぐ強盗事件で国民の間ではこの国の安全とともに、治安維持の責任者が誰なのかという問いかけも強まっている。5月の国政選挙でも、治安問題が重要な政策課題として関心を集めるだろう。
国家警察は、世論調査で警官に対する国民の支持率が5割を維持していると言う。しかし、その調査には最近の銃器犯罪の急増ぶりは反映されていない。また、プリシマ国家警察長官は本紙のインタビューに対し、窃盗や押し込み強盗に遭った被害者のうち、警察に届けるのは全体の29%にすぎない、との統計も明らかにしている。警察は、国民の信頼を得る必要がある。(6日・インクワイアラー、アマンド・ドロニラ氏)