議会廃止を布告?
大統領の振るまい
カトリック司教協議会(CBCP)がこのほど発表した政権批判の声明に対し、アキノ大統領は「あまり歓迎できない」と、CBCP幹部に苦言を呈したそうだ。幹部は恐らく「申し訳ありませんが、大統領を喜ばせるつもりは全くありません」と切り返したはずだ。国中を当惑させる大統領に文句を言いたいのは、教会だけではない。
大統領は世界経済フォーラム年次総会へ出席するため、スイスへの「観光旅行」に4900万ペソをつぎ込んだ。大統領は、出席した小さなフォーラムより、63人の随行団との内輪の会話に多くの時間を費やした。帰国後には、外国資本の対フィリピン投資をめぐり、大げさな土産話をした。
大統領はまた、人口抑制法賛成派の「宣伝塔」カルロス・セルドラン被告の「許し」をカトリック教会に求めた。被告はマニラ大聖堂でミサ中に不祥事を起こし、教会の訴えを受けた裁判で、禁固刑を下された。
人口抑制法の宣伝隊は、被告の適用された法律は時代遅れであり、大統領の言葉を引用して、有罪判決は人権と言論の自由の侵害に当たる、と非難した。大統領は、この被告がイスラム教のモスク、ユダヤ教のシナゴーグで同様の行為をした場合、どのような事態を招いたか、想像したのだろうか。
そんな中で、カナダの友人からメールが届いた。彼はカナダで比系非政府組織のトップをしている。メールには、大統領が「議会の一時閉鎖か廃止を命じる布告に署名するのではないか」とあった。
この予測には、一理ある。ただ、大統領にそんな権限はないから、革命政府が必要になる。その場合、真っ先に大統領を追放すべきだろう。(1日・スタンダードトゥデー、フランシスコ・タタッド氏)