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9月3日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 717字|2012.9.3|社会 (society)|ハロハロ ]

 久しぶりに日本に戻って「ああ、そうだった」と眺めたのは、百貨店地階の食品売り場などに目立って多い定年を過ぎた高齢者の姿。ところが、この国の「客筋」は対象的。平日でも午後は小、中学生ら子供たちがショッピングセンターにあふれている。それに売上高が大きいのか、百貨店が子供用品売り場に広いスペースを割いているだけでなく、パレンケ(市場)でも小さな店先で幼児の上着をハンガーに掛けて売っている。どれも増え続ける子供の多さを裏付けている。

 フィリピンの議会では急激な人口増を緩和させる法案が10年以上も審議されながら、いまだ採決するに至っていない。この現状に大統領報道官は「養うすべがないのに、多くの子供を産んで、どうやって子供らに適切な人生を与えることができるのか」と記者会見で訴えている。昨年の人口増加率は1・90%と推定され、アジアで最も高い。2位以下はブルネイ(1・71%)、カンボジア(1・70%)、ラオス(1・68%)の順で、パキスタン、バングラデシュもフィリピンより低率だ。

 この国は人口の約8割がカトリック教徒といわれるが、「宗教」で人口増加率を見比べると、回教徒国のインドネシアは1・07%、仏教徒国ベトナムは同1・08%。両国とも、一昨年の国内総生産(GDP)は比を上回った。一方、各国の平均寿命を世界保健機関(WHO)の調査で見比べると、09年時点で日本が83歳(男80歳、女86歳)で1位、フィリピンは70歳(男67歳、女73歳)で107位。以上は、この国の「人口」問題の一端を他国の数値と比較してみた。引用した数値は、ファンドマネジャーのスイス人、A・カウフマンさんの記述などを参考にした。(濱)

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