新聞論調
サーカス仕立ての葬儀
アキノ大統領が故ロブレド内務自治長官の英雄墓地への埋葬を望んでいるという。まだ物足りないのか。地元南カマリネス州ナガ市での追悼式典、1週間にわたる喪服期間、マラカニアン宮殿での一般弔問に国葬。謙虚を貫いて生きた公人の死をここまでサーカス的騒ぎに仕立てるとは。
個人的に面識があるわけではないが、聞くところでは、故人は公人のあるべき姿を体現していた。しかし、なぜ英雄墓地への埋葬になるのか。大統領は、内務自治長官として全権を与えすらしなかったではないか。大統領は、故人を差し置いて、射撃仲間のプノ内務自治次官に国家警察を一任した。
遺族はこれをどう受け止めるだろう。故人がそう望むであろうように、大げさなファンファーレなしに、故人との最後の時間を家族で分かち合いたかったはずだ。
遺体はまだ埋葬されていない。にもかかわらず、政権与党自由党に属する者たちはすでに後任人事で頭がいっぱいだ。略奪罪で訴えられている前州知事の名前まで挙がるとは!誠実に生きた故人に対するなんたる侮辱だろう!
故人はロハス運輸通信長官の推薦で閣僚入りし、忠実な自由党員であり続けた。長官の事故死を受け、前回副大統領選でビナイ副大統領を支持した現政権内の派閥サマール派は後任ポストの獲得に必死だ。ロハス長官を支持したバライ派も、内務自治長官代行を務めているオチョア官房長官の正式任命を望んでいる。
アキノ大統領は、つまらない派閥争いを寄せ付けない、誰もが疑いをかける余地のない人物を任命しなければならない。さもなければ、故人の名をさらに汚すことになる。(24日・スタンダードトゥデー、エミル・フラド氏)