原因はゴミ捨て
大規模洪水
南西季節風による豪雨がマニラ首都圏とルソン島中部に大規模な洪水被害をもたらした。首都圏マニラ市のロハス通りには、マニラ湾から大量のごみが押し寄せた。
政府が包括的なごみ処理システムを確立できていない証拠だ。地方自治体で処理をして、リサイクルにつなげる法案が議会を通過したが、自治体にはごみ処理は無理だ。
ほとんどの地方自治体には、ごみ処理施設がない。そのため、処理を契約業者に頼む。彼らは、誰も見ていないときに、ごみを空き地や水路に捨てる。ごみは水の流れを止め、洪水を引き起こす。
マニラ湾に浮かんでいるごみの多くは、プラスチックと発泡スチロールだ。有機物はすでに海底に沈んでいる。ごみ処理業者が海に投げ捨てたものか、川から流れ込んだものだろう。
以前は、マニラ港からごみを船に載せ、ビサヤ地方アンティケ州セミララ島に捨てていたが、同島がウミガメの産卵場所のため禁止された。代わりに、海へごみが捨てられるようになった。
わざと排水管を詰まらせるけしからない連中もいる。洪水が発生すると、車両が立ち往生する。彼らは、車を押して高い場所に移動させ、その手間賃をもらうのだ。手押し車に乗せて人を運び、稼ぐやからもいる。首都圏開発局は、排水管が石やごみで詰まる理由を調査する必要があろう。
商業施設でプラスチックや発泡スチロールを使うのも、洪水を引き起こす原因の一つだ。地方自治体は、その使用を禁止し、紙や布の袋にすべきだ。
プラスチックバッグの使用をすでに全面禁止した国もある。これらの国は、環境を汚染しない素材に切り替えた。我々はプラスチックバッグが何を引き起こすか体験したのだから。(8日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)