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8月6日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 668字|2012.8.6|社会 (society)|ハロハロ ]

 6月12日のフィリピン独立記念日の時もそうだったけど、マニラ新聞の若い記者たちが記念行事の取材に出掛けるたびに、歴史に思いが走り、ある「仮説」に行き着く。つまり、世界史には時代を画す重要な年がいくつかあるということだ。それを教えてくれたのは、今年5月、83歳で死去したメキシコの作家カルロス・フエンテスである。彼は2005年に出版した『1968年の出来事│パリ・プラハ・メキシコ』の中で、学生革命の嵐が世界中を吹き荒れた1968年が、時代を画す年の一つだと述べている。

 フエンテスは19世紀にもそんな年があったと指摘し、その一例として、1848年を挙げている。欧州で革命が続発し、マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』を出版して、社会主義革命の到来を予言した年である。フエンテスは書いていないけど、20世紀後半では、1979年も画期的な年であった。2月に中越戦争が勃発し、イランではホメイニ師によるイスラム革命が起きた。年末には、ソ連崩壊の予兆となるソ連軍のアフガン侵攻が始まっている。

 さて、エミリオ・アギナルド将軍がフィリピンの初代大統領に就任した1898年はどうだろう。この年も実は、時代を画す年であったと思う。米国の「明白なる天命」(マニフェスト・デスティニー)が初めて、海を渡った年だからだ。米国は米西戦争に勝利し、フィリピンとキューバを実質的な支配下に置く道筋を付けた。ハワイも準州として併合した。また、ロシアが清から関東州を租借し、日露戦争の序曲となった。たまに、歴史年表を繰るのも、一興である。(竹)

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